2010年 12月 25日
石斑魚の淵・福島県柳津町 玉サバ紀行金魚めぐり2009 |
鉄魚の郷を後にし
心地よい疲れを残したままの8月2日
進路は会津へ
まずは天然記念物
石斑魚(うぐい)の淵
を訪ねました
宮崎鉄魚愛好会さんとお別れし
東北自動車道を南進
福島は会津ティンカーベル・JPさんを目指しますが
その前に一度訪れてみたいと思っていた場所
石斑魚(うぐい)の淵
に向かいます
魚取沼への夢を膨らませた
ムツゴロウこと畑正憲著
天然記念物の動物たち
シリーズ北の鷲に紹介されている
石斑魚の淵
石斑魚とは日本淡水魚ウグイのこと
釣りの場面では
糸鳴りするほどの強い引きを見せる彼らですが
どちらかと云うと外道扱い
狙って釣る人はめったにいないんじゃないか・・・なぁ
悪食とは云わないけれどなんでも食べます
磐梯の山の近く
かの尾瀬沼から流れ出す名流、只見川のほとりに
野生の魚が人の呼びかけに応じて集まる淵があるという。
私はそのさまを見たいと思った。
魚はウグイだった。
(「石斑魚の淵」抜粋)
只見川には
そのウグイたちが群れ、その上 餌付けされ
その数、尋常でなく・・・
水面にウグイが盛り上がるほど・・・と云う
すごいなぁ
オレも見たい・・・
フリーズを繰り返すナビを頼りの行き当たり当てずっぽう
なんとか日没と同時に福島県柳津町に入り
翌早朝の訪問を前に下調べしておいた
つきみが丘町民センターへ立ち寄り温泉で汗を流す
入浴料は300円 安っ!
そしてとてもいいお湯
ふぅ~
帰り際、番頭さんにお礼を言いながら
ウグイを見に来たことを話しますと・・・
う、ウグイを見に来られたんですか
ニコヤカだった顔に緊張が・・・
聞けば
ここ2、3年 鵜の飛来を受け
あれほど溢れていたウグイがめっきり見られなくなったとのこと
う、ぐぅっ・・・
鵜、ですかっ!
数年前から
フィールドでも河川を鵜が遡上する姿をよく目撃するようになり
それに伴って食害なども耳にするようになっていたところ
ピンポイントな現象と思っていたけど
こちらでも被害甚大
野鳥であることから駆除もままならないらしい
ちなみに、この鵜
当地愛知県ではコロニー(ねぐら)が
鵜の山
として天然記念物に指定されているし
奇しくも天然記念物の動物たち・北の鷲に
鵜の山が紹介されていたりする
実際には、鵜が保護されているのではなく
鵜の山の産物
「糞」
が貴重な肥料として活用された時代背景や
その文化価値が貴重とされ
地域活性や観光資源化とされたのだけど・・・ね
そうか、ムツさんのような景色は見られないかもなぁ・・・
翌8月3日早朝
石斑魚の淵へ足を運ぶ
日の出前の空気は前夜の雨と相まって涼しさを増し
淵の水の温かさと相まって靄り美しい
現地は
うぐいの道・魚淵(うおぶち)
と呼ばれ観光化されているけど
このまま鵜の飛来を放置すると本当にいなくなってしまうかもしれない
入口あたりで天然記念物である指標があった
ご覧のとおり
ウグイが希少種としての扱いを受けているのではなく
弘法大師が虚空蔵尊を刻んだ木屑を投げ込んだところ
ウグイに姿を変えて棲みつくようになった
とか
信心のないものが不法にウグイを捕獲したが
家に帰って魚籠を開けたら大量の木屑に変じていた
という伝説も生まれつつ
特異な生息地として伝承されてきた文化価値
が指定を受けたもの
だから、ウグイが喰われてしまうと云って鵜の駆除は難しいし
ウグイがダメなら錦鯉を放そうか・・・なんてのもダメ
文化価値を伝承するって実はたいへんなことなんですねぇ
さてさて
肝心のウグイです
昨夜の番頭さんによると
ウグイが激減してしまいエサ売りもなくなった・・・と云うことでしたが
早朝にもかかわらず入口のお店に声をかけると
細々とではありますがエサも売っているようです
エサとなる食パンの切れ端を手に入れました
ムツさんの著書にも
食パンに群がるウグイたちの姿が生き生き登場します
・・・が、念のために配合飼料も買いまして
いよいよ淵へ
ムツさんも覗いたであろう水面にエサを投げてみますと
すかさず近づいてきたのはカモたち
こりゃ、あかん
と嘆き始めたころに、やっと
ポチャン、ポチャリン
とエサをついばむ水紋
しかし、撮影できるほどの勢いはなく
水面から盛り上がるほどいたというウグイたちの姿は
消えていたのでした
あぁ、もう少し前に来たかったなぁ
石斑魚の淵
ウグイの姿が復活することを願わずにはいられません
レポートは2009年当時の情景をもとに記してあります
by tamakin-ojisan
| 2010-12-25 10:15
| feeling Fish